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紀元前から悠久の時を経て現在まで、当時の歴史と文化を伝えるため今もなおその姿を留める
世界遺産。そんなかけがえのない地球の財産を見に行ってきました。2005年4月15日から24日
までの10日間イタリア旅行に行って来ましたのでご紹介します。
4月15日(金)成田空港をジャンボ旅客機で13時00分に出発し、新潟県佐渡島上空を通過して
ロシアのハバロフスク上空を経由してシベリアのツンドラ地帯をしばらく飛行していた。シベリアは平
原と氷で覆われた沢山の蛇行した川があった。 機長のアナウンスによると高度35,000フィート
(10,700m)、速度505 ノット(時速818km)で飛行し、外気温マイナス55度〜65度とのことであった。
到着地ミラノはアルプス山脈の上空を通過すると間もなくだ。雲間から雄大な山脈が美しく見える。
ミラノのマルペンサ空港に着いたのは夕方6時15分頃だ。夕方といっても空はまだ明るい。フライト
時間は12時間15分。時差は8時間。少々お疲れモードだ。
世界遺産および観光地を写真でご紹介します。
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今回世界遺産を訪ねた都市を□で囲いました。赤線はミラノから始まりローマまで訪ねた都市の
ルートを表します。□で囲われた都市をクリックするとその都市の世界遺産の写真と説明文が表示
されます。 |

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シベリアのツンドラ地帯
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大聖堂
(ミラノ)
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円形劇場・アレーナ
ベローナ市街 世界遺産
(ベローナ)
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サン・マルコ寺院
ヴェネツィアとその潟 世界遺産
(ヴェネツィア) |
ゴンドラから見る街並み
(ヴェネツィア)
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カンポ広場
シエナ歴史地区 世界遺産
(シエナ)
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ピサの斜塔
ピサのドゥオモ広場 世界遺産
(ピサ) |
小雨に煙るフィレンツェ
フィレンツェ歴史地区 世界遺産
(ミケランジェロ広場から撮影) |
サンタ・マリア・デル・フィオーレ
大聖堂
(フィレンツェ)
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ポンテ・ヴェッキオ橋
(ウフィツィ美術館から撮影)
(フィレンツェ)
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サン・フランチェスコ大聖堂
世界遺産
(アッシジ)
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ポンペイの遺跡 世界遺産
(ポンペイ) |
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ポンペイの遺跡
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ヌォーヴォ城
ナポリ歴史地区 世界遺産
(ナポリ) |
カプリ島
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白い石灰岩の絶壁が続く
(カプリ島)
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青の洞窟入り口
(カプリ島)
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サン・ピエトロ寺院
ヴァチカン市国 世界遺産
(ヴァチカン市国) |
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最後の審判
(ミケランジェロ作)
(システィーナ礼拝堂) |
コロッセオ
ローマ歴史地区 世界遺産
(ローマ) |
トレヴィの泉
(ローマ)
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イタリアが統一されたのは、わずか140年前のこと。それまでは小さな国に多数分かれていた。幾度となく戦いを
繰り返してきた歴史の中で、破壊されたものもあれば生まれた芸術もある。歴史的建造物だけでなく都市そのものが
世界遺産となっていることが多い。ファッションの街であるフィレンツェは、街全体が世界遺産となっている。ローマ市
内は世界遺産の建造物の他いたるところに遺跡がある。大聖堂の素晴らしい建造物、大理石の彫刻、絵画、モザイ
ク絵などなど当時の芸術家の活躍ぶりがうかがえる。ヴァチカンの大聖堂や美術館に収められている作品は本当に
素晴らしい。このようなものが見られただけでも幸せ者である。
10日間の旅行でイタリア人気質などについて感じたことをまとめてみました。
(1) 交通
・街中で走っている自動車は圧倒的に小型車が多い。1500ccクラス位の大きさだ。しかも汚れた車が殆んどだ。
道路や空き地に少しでもスペースがあれば駐車してしまう。
・車種はベンツが多い。アウディ、フォード、オペル、BMWなど日本では高級車であるがイタリアでは一般車のよう
だ。我々がイメージするような高級車ではなく、小型で汚れていたりバンパーが凹んでいたりしている。走ればいい
という感覚だ。きれいにしていると傷つけらけたり、ぶつけられてしまう。日本産の車では、少ないが日産、トヨタ、
ホンダが目についた。
・日中でもほとんどの車がライトを点灯ている。事故防止と霧が発生するからだ。
・車もオートバイも運転手のハンドルさばきが巧く、街中でもかなりのスピードを出している。特にナポリっ子はせっか
ちのようだ。 救急車はサイレンを鳴らして走っているが交差点でもスピードは緩めようとはしなかった。
・横断歩道であっても日本のように安心して渡っていられない。左折車、右折車がビュンビュン来る。自分から車を避
けるという意識が必要だ。
・横断歩道以外のところで人身事故があった場合は、歩行者が悪いことになる。海外障害保険も出ないので要注意
だ。
(2) ホテル
・イタリアは空気が乾燥している。就寝時にマスクをしないと、のど、鼻が乾いてしまい、呼吸が苦しくなって夜中に目
を覚ましてしまう。 勿論、エアコンはOFFにしている。マスクをぬらして対処した。こんな思いをしたのは私だけの
ようだ。女房はなんともなかったとのこと。
・便秘で困っている人は、夜、ホテルの水をコップ1/3ほど飲むと翌朝解決する。女房はこれで解決した。飲み過ぎる
と昼間の旅行が大変になるので注意! (同じツアーに行った人から聞いて実行した)
イタリアの水は硬水で日本人のお腹に合わない。
・添乗員の話だが、貴重品をフロントに預けても、万一無くなった場合はホテル側は補償してくれないとのこと。
(何のために貴重品を預けるのか、日本ではこんなことは考えられない。海外旅行したら貴重品は自分が厳重に管
理することです)
(3) イタリアン気質
・イタリア人は食べること、歌うこと(カンターレ)、愛すること(アモーレ)が好きだ。
・月曜日が嫌いだ。金曜日が一番好きだ。(これは日本人もいっしょ)
月〜金曜日までいかに体力を消耗しないで働くかが彼らの課題だ。蓄えた体力を土、日で遊んで費やしてしまう。
遊びが主のようだ。
・店員はお客が来ても接客しなくても良い。黙って立っているだけで働いているんだという意識らしい。
(こういう場面に遭遇したお店は無かったが、中にはあるのかも知れない))
・私が経験したことであるが、毎日パスタばかり食べていて少しうんざりしていたが、あるレストランでウエイターに
「ヴォーノ、ヴォーノ」 (おいしい、おいしい)と言ったら、満面笑みを浮かべ喜んでいた。帰りがけに私の顔を見て
笑顔でうなずいてくれた。
(リップサービスだったのにこんなに喜ぶとは思いもよらなかった)
・ 観光地にあるカフェ店でカプチーノを飲む場合、店の中で飲む場合は一般的な値段だが、店の前のテーブルで飲
むと値段が2倍になる。外のテーブルで飲む人は上流階級の人が多いそうだ。見栄を張って外で飲む中流階級の
イタリア人も多いそうだ。同じツアーの夫婦がヴェネツィアのサン・マルコ広場で、外のテーブルでカプチーノを飲ん
だら、目の飛び出るくらいの金額を請求されたとか。
(4) 一般的なこと
・有料の公共トイレや高速道路のサービスエリアのトイレには便座がない。(便座をはずしている)
男性の大や女性の大小は困るようだ。初めは、観光客が多いのでトイレの回転を良くするためと思っていたがそ
うではないらしい。エイズ感染防止のためのようだ。
・水とトイレはどうしても必要であるが、旅行中結構お金がかかる。水やビール等は観光地によって値段が違うが
ヴェネツィアが一番高い。
・建物にいたずら書きが多い。どこへ行ってもお店の壁、シャッター、塀などにいたずら書きがしてある。世界遺産
の国イタリアの恥である。
・ナポリでは犬の糞が多かった。お犬様が堂々と闊歩している。
(5)その他
・日本では花粉症の季節であったが、イタリアでは全くその心配がなかった。
・カプリ島はレモンの産地。レモンを原料にしたリキュールの特産品で、強かったら炭酸で割って飲むとおいしい。
・イタリア最後の夜にカンツォーネディナーを楽しんだ。3人の歌手とピアノ奏者1人というメンバーで、日本でお馴染
みの「帰れソレントへ」、「オーソレミオ」など数曲聞かせてくれた。中には歌いながらステージでお客さんと踊る場
面があり、我がツアーから美人奥様が二人選ばれ楽しく踊っていた。突然のことで少し緊張していた様子だった。
なぜか我が女房は選ばれなかった。やっぱり若さと美貌(?)が衰えたから仕方がないなぁ〜。納得!
・帰路はローマ→オランダ→成田であったが、ローマの空港で持物X線検査で警告音が鳴った。金属ものはポケッ
トから出したが鳴り止まない。結局、ベルトの金具に反応したようだ。男性はこれでほとんどひっかかっていた。日
本でもこのくらいの厳しいチェックをやってほしいものだ。
・アリタリア航空のキャビンアテンダントは無愛想だった。ニコっともしない。その点JALは愛想が良くて安心する。
・イタリアから成田へは乗り換えでアムステルダムで降りた。オランダの出国審査官が我々日本人に日本語で挨拶し
ていた。日本人海外旅行者がいかに多いか物語っているようだ。
(6)ヴァチカン市国
・4月2日、ローマ法王ヨハネ・パウロU世が亡くなり、その死を悼む人々が全世界から続々とヴァチカンにやって来
てどうなることかと心配したが、支障なくイタリアに入国できた(4月15日)。ローマに入る2日前に新ローマ法王ベ
ネディ クト16世が決まり(4月19日)、そのお祝いのために道路が大渋滞になるのではないか、またヴァチカン市
国のサン・ピエトロ寺院に入れないかもしれないという心配があったが運良く寺院に入れた。混雑していたものの大
聖堂の中は素晴らしかった。カトリック信者10億人の総本山であり、キリスト教世界最大の聖堂建築である。その
規模の大きさには驚いた。システィーナ礼拝堂は儀式で使用するため入れなかった。この礼拝堂にあるミケランジ
ェロの壁画「最後の審判」は残念ながら見ることができなかった。ヴァチカン美術館には入場できた。ラファエロの
壁画「聖体の論議」、「アテネの学堂」など傑作揃いの美の殿堂であった。ゆっくり見たかったがツアー旅行のため
時間がなかった。
イタリアの世界遺産、美術品等とにかく素晴らしかったの一語に尽きる旅行だった。
最後に
今回のツアーで、現地ガイドさんの歴史、文化などの丁寧な説明があった。また、添乗員さんがイタリアの歴史を
大変良く勉強しており、熱心に説明してくれた。お陰で大変勉強になったし、イタリアという国を少しは理解できた。
そして、同行したツアーの方々もマナーを守り、時間厳守し、遅れることなく、怪我、病人が出ることもなく楽しい旅
行を過ごすことができた。
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